建築物内の居住者にとって安全かつ健康的な室内空気環境の実現に努力している特定建築物を顕彰するとともに、室内空気環境の維持管理の重要性について公衆に広く知らしめることを目的とします。
建築物内の居住者にとって安全かつ健康的な室内空気環境の実現に努力している特定建築物を顕彰するとともに、室内空気環境の維持管理の重要性について公衆に広く知らしめることを目的とする。
主催: 一般社団法人日本空調システムクリーニング協会(JADCA)
後援: 公益社団法人全国ビルメンテナンス協会
公益財団法人日本建築衛生管理教育センター
公益社団法人日本空気清浄協会
株式会社日本ビル新聞社 株式会社ビル新聞社 株式会社空調タイムス
株式会社日刊建設通信新聞社 株式会社日本設備工業新聞社
評価対象:① 建設後10年以上経過した建築物の空気環境とその管理体制を評価。
② 建築物環境衛生制度の特定建築物を対象とする。
※複合ビルの場合は主な用途の一部のみでも応募可能。
①名称
ビル空気環境表彰
②募集
・募集は、一般公募(ホームページ等にて8月1日~12月13日)
・応募受付窓口は、JADCA事務局。
JADCAのHPより応募資料をダウンロードし電子データにて申請。
③審査
■審査
・審査期間 12月~3月。
・審査の流れ。
・書類審査(JADCA評価認定委員会)→現地審査→最終審査(審査委員会)。
審査委員会メンバー 評価認定委員会委員、関係他団体の役員、JADCA会長。
■評価基準。
表彰の対象としたい主眼点の要旨に併せ下記4項目を主な審査対象とする。
環境性能
①安全性 CO₂濃度、浮遊粉塵濃度等に対する管理と取組
②快適性 温度、湿度、気流等に対する管理と取組
保守性能
③清掃管理 環境性能を維持・向上させるべきメンテナンスがなされているか
④維持管理 予防保全の観点から長期的な整備計画がなされているか
環境への取り組みは行っているか
■審査過程
・書類審査として、空気の清浄度、安全性、快適性を空気環境測定実施記録にて評価する。年間計画表、調査票により整備状況、管理体制を評価する。
・書類審査を通った建物について、特に成績の優秀な建築物の現地審査を行う。設備員へのアンケート、ホルムアルデヒド、浮遊微生物測定等の現地審査を行い報告書としてまとめる。
・最終審査として、書類審査、現地審査をまとめた報告書を基に、特に優れた環境作りに努力している建物を選定し表彰対象とする。
④表彰(第3回予定)
・表彰日 2024年6月5日
・表彰式 アートホテル日暮里ラングウッド
・表彰対象 安全かつ健康的な室内空気環境の実現に努力した建築物の関係者
(オーナー、建物占有者、維持管理者、複数可)
・表彰 大賞 1点 優秀賞 数点
・表彰状 クリスタルガラス製の「表彰状兼盾」 賞金 なし
建物名 | パレスサイド・ビルディング |
所在地 | 東京都千代田区一ツ橋1-1-1 |
占有者 | 株式会社毎日ビルディング |
パレスサイド・ビルディングは平成30年に竣工52年目を迎え、高さ50m東西2本の白い円柱コアが特徴的なデザインは、竣工当初からランドマークとして親しまれてきました。東京メトロ竹橋駅直結の立地は、そのビル名の示す通り皇居に面しており、首都高速都心環状線が交差する交通の要所でもあります。
都心部という条件からIAQ (indoor air quality)の確保と空調機の適切な管理には特に注意が必要となり、地上階系のセントラル空調は、躯体を利用した2重ダクト方式を採用しており、各階の横引ダクトも長いことから平成2年より72系統ある空調ダクトを概ね7~8年程度をめどに定期的に清掃を行っています。また、近年ではマルチ型空調機に関する臭気等の苦情が多くなってきており、年2回の定期フィルター清掃以外に、室内機・室外機を定期的に洗浄する等、その維持保全にも努めています。
近年の社会状況では省エネルギー化への対策が強く求められてきており、その対策として各階のメインダクトに温度センサーを設け、温度管理を徹底しているほか、室内空気環境測定を毎月行いCO2濃度の管理を行う等、省エネとIAQの両立に極力努めています。
こうした建物管理者の清掃及び整備と管理へ対する高い意識と極めて積極的な努力は、当表彰制度の目指す主旨に合致しており、これを広く知らしめることは社会的にも有意義であり、大賞に決定しました。
建物名 | 東京倶楽部会館 |
所在地 | 東京都港区六本木1丁目9-14 |
占有者 | 一般社団法人東京倶楽部 |
東京倶楽部会館は、国際親善と会員相互の親睦を目的とし、竣工当時から室内環境の実現に努力を重ねています。空調設備は、維持保全計画に従って定期的に点検・清掃・交換を行っており、不具合がある際には修理等の対応を行っています。具体的には、冬場の加湿不足に対応するための加湿モジュール増強を行い、現在では冬場の空気環境測定でも不適合がほとんど出なくなっています。定期点検で空調機内部のコイルの汚れが指摘されたため、今年はコイル洗浄を計画しています。また、ダクトのゾーン変更も行い、より温度管理がしやすくしています。昨年には空調配管の劣化診断も行うなど、設備が十分に機能を発揮するように維持管理を進めています。このような努力の結果、倶楽部という性質上、部分的には喫煙が許されているにもかかわらず、室内空気は良好な状態を維持しています。
こうした建物管理者の清掃及び整備と管理へ対する高い意識と積極的な努力は、当表彰制度の目指す主旨に合致しており、これを広く知らしめることは社会的にも有意義であり、優秀賞に決定しました。
表彰日 | 2024年6月5日(世界環境デー) |
表彰式 | アートホテル日暮里ラングウッド |
建物名 | 日本都市センター会館 |
所在地 | 東京都千代田区平河町2-4-1 日本都市センター会館 |
占有者 | 公益社団法人 全国市有物件災害共済会 |
日本都市センタービルはホテル客室、レストラン、貸会議室、貸事務所等を有する複合施設であり、来館者や在室者に快適な空気環境を提供すべく、空調設備の維持管理に努めています。具体的に、空調設備はセントラル空調を採用しており、ビル管理会社による維持管理業務に機器の点検・小修繕やフィルター・アネモの清掃、空気環境測定等に取り組んでいます。また、空調設備の維持管理を定期的・計画的に実施するとともに中央監視装置(自動制御機器)により温度や外気風量の管理を実施しています。3F大ホールの外気導入においては、CO2自動風量制御により効率的な運転を実施しています。
予防保全としては、竣工が20年以上経過したことから2021年度にダクト内部の粉塵付着調査を実施しました。調査結果により2022年度にB2F~12F排気系統のダクト清掃を実施したことで、ダクト本来の換気性能を確保しています。現在、2023年度から空調設備改修を主軸とする「ZEB化」を実施中であり、設備の能力向上だけでなくカーボンニュートラルへの取り組みにも努めています。こうした建物管理者の清掃及び整備と管理へ対する高い意識と極めて積極的な努力は、当表彰制度の目指す主旨に合致しており、これを広く知らしめることは社会的にも有意義であり、大賞に決定されました。
建物名 | 博多駅南Rビル |
所在地 | 福岡県福岡市博多区博多駅南1-8-13 |
占有者 | 株式会社菱熱 |
博多駅南Rビルは、2003年に竣工、20年を経過した事務所ビルで、本社ビルとして使用し、上層階はテナントビルとして使用してきました。政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」を念頭に、2017年に始まったZEBプランナー制度に登録し、ZEB化改修工事を実施。改修後は建物全体で改修前に比べ43%の省エネを達成しました。また、自社フロアの空調設備として夜間躯体に蓄熱する躯体蓄熱空調システムを採用し、在室状況に応じた送風量制御を導入。それにより快適性と省エネ性を併せ持った空調システムとなっています。加えて、各室にCO2センサーを設置し、室内環境に応じた外気導入量制御を採用することにより、更なる省エネ化を図っています。環境経営としては、ISO14001を取得しており、地球環境へ配慮した企業活動も行っています。
設備の維持管理について、年2回の空調室内機・全熱交換器の点検・フィルター清掃、冬期は各機器に組み込まれた加湿器の点検・清掃を毎月行い、設備の維持保全に努めています。こうした建物管理者の清掃及び整備と管理へ対する高い意識と積極的な努力は、当表彰制度の目指す主旨に合致しており、これを広く知らしめることは社会的にも有意義であり、優秀賞に決定されました。